沢井鈴一の「名古屋の町探索紀行」
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2013年3月15日
沢井鈴一の「名古屋の町探索紀行」第13講 如意界隈 第8回「六ケ池──猿田彦社」
少年が六ケ池で釣りをしている。橋の上から「釣れるか」と声をかけると素っ気ない声で「一匹も釣れない」という声が返ってきた。「ここには何がいるのか」と重ねて聞くと、「鯉やブラックバス」がいると答えた。 六ケ池は三町二反もある広大...
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2013年3月8日
沢井鈴一の「名古屋の町探索紀行」第13講 如意界隈 第7回「庚申待──岳桂院」
夕陽が境内に差しこんでいる。楠の大木が夕陽に染まっている。岳桂院を尋ねる時には、楠の大木をめがけて歩いてゆけば、しぜんと行きつくことができるであろう。それにしても立派な大木だ。幹まわり二メートル、高さ二十メートルはある。鳥のさえず...
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2013年3月1日
沢井鈴一の「名古屋の町探索紀行」第13講 如意界隈 第6回「冬の蝶──堀田天神」
コスモスの花が風にゆれている。菊の花も蕾を開いたばかりだ。鶏頭のまっ赤な花が、今を盛りと咲いている。如意の住宅地の中に、広大な畑が残されている。畑には野菜が片隅に少し植えてあるだけで、残りの土地は花畑となっている。花畑の上を一匹の...
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2013年2月22日
沢井鈴一の「名古屋の町探索紀行」第13講 如意界隈 第5回「如意の富士山──富士塚」
アパートの前に土を高くもった広場がある。広場の中には、小さな石碑が建っている。石碑を守るかのように、樹々が茂っている。(※編集部注:2012年12月の写真取材時には石碑はなく塚も写真のように一部しか残っていません。) 「昔は...
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2013年2月15日
沢井鈴一の「名古屋の町探索紀行」第13講 如意界隈 第4回「池の堤の池──忠魂碑跡」
南側の楠小学校、北側の如意の学習センターに挟まれた一画に広大な池がある。池といっても水は湛えられていない。生活汚水が流れ込み、一条の細い流れを作っている。雑草が生い茂った池の中を生活汚水は流れてゆく。 古老から忠魂碑が建って...
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2013年2月8日
沢井鈴一の「名古屋の町探索紀行」第13講 如意界隈 第3回「椎の木の茂る参道──瑞応寺」
山門をくぐって、瑞応寺の境内に入ってゆく。静寂そのものの世界だ。鳥のさえずりだけが梢の間から聞こえてくる。参道の両側には、椎の老木が何本もそびえている。幹まわりは、二メートルはあろう。高さは優に二十メートルは超えている。外は、陽光...
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2013年2月1日
沢井鈴一の「名古屋の町探索紀行」第13講 如意界隈 第2回「小学校が建っていた寺──鶏足寺」
一本の道が如意を抜けて、大我麻に通じている。細い道をバスが用心深く走ってゆく。大我麻町に高速道路の楠JCTができてから、この道はJCTに通じる裏道となって、いつも交通渋滞をひき起している。味美から如意を通り比良にぬける、この道は如...
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2013年1月25日
沢井鈴一の「名古屋の町探索紀行」第13講 如意界隈 第1回「にょらい塚──大井神社」
にょらい塚を探して、如意の里を歩いた。「にょらい」何とも魅力的な響きだ。楠町には多くの塚が散在している。味鋺には百塚と呼ばれるほど多くの塚があった。如意にも「道観塚」「富士塚」「鳥見塚」など、かつてこの地に存在した塚の名前が地名(...
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2013年1月18日
沢井鈴一の「名古屋の町探索紀行」第12講 味鋺界隈 第7回「雷除の神社──西八龍社」
東日本大震災の例をとるまでもなく自然の猛威の前には、人間はなす術を知らない。科学が発達し、あらゆることが解明されたかに見える現代でも、人間の無力を嘲笑うかのように、自然は猛威をふるい災害をもたらす。自然を畏怖する心から、自然を敬う...
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2013年1月11日
沢井鈴一の「名古屋の町探索紀行」第12講 味鋺界隈 第6回「森の中の記念碑──忠魂社」
味鋺神社を出て、庄内川の堤防下の道を真っ直ぐ西にむけて歩いてゆく。すこし歩くとこんもりと茂った森が見えてきた。森の中に何があるだろうか、興味を持って森をめざして歩いて行った。 森の中には小さな神社があった。鳥居の傍らに皇紀二...