唐子車 - Network2010

補講 名古屋~栄

唐子車

『尾張年中行事絵抄』に、次のような記述がある。

惣て町々の天王祭は朔日頃より五日、六日に至る。其内に此下納屋裏なる中之切は八日九日頃にあり、此時内屋敷より車をかざりて中之切の天王へ引なり。その道すがら俄思ひつきをなす。或年京の祇園会をうつして山鉾を渡す。又ねりものの真似して大の男ゞ太夫の道中大笑ひ大笑ひ。

中村区の堀川端には山車蔵が三つある。神明社の脇にある紅葉狩車の山車蔵、小鳥町の二福神車の山車蔵、そして、納屋橋の南、内屋敷町の山車蔵である。
内屋敷町の山車は唐子車である。現在は広井神明社の祭車として、他の二車とともに曳き出されている唐子車であるが、江戸時代には『尾張年中行事絵抄』に書かれているように下納屋裏の中之切の天王社の祭に曳きだされていた。祭にはさまざまなパフォーマンスが演じられた。祇園祭の山鉾の巡行の真似をしたり、大夫道中の真似を男たちがして、見物人の笑いをさそった。

名古屋まつりで曳かれる唐子車(2008.10.12 撮影)名古屋まつりで曳かれる唐子車(2008.10.12 撮影)中之切の天王社は町内の氏神様であるが、名古屋の天王社といえば、三之丸天王社をさしていう。三之丸天王社は現在の那古野神社である。名古屋城内の三之丸に祀られていた天王社は亀尾天王ともよばれていた。
この亀尾天王社の車楽に対する見舞車として曳かれたのが唐子車である。見舞車は、江戸時代後期には十八輌にも達したという。
見舞車について『尾張年中行事絵抄』は、次のように書いている。

車之町の当番の年は、益屋町より小車に提灯数多飾りて、笛・太鼓をなし、片端へひき参り、車楽の側に止めて囃子をなす。名古屋村、広井村等も同じく、其年当番にあらざる町々より、小車を引来れり。是を見舞車と号く。

天王祭にその年の当番になっていない町から曳き出す山車が見舞車だ。
唐子車は、天保十二年に建造された名古屋型の山車である。名古屋型の山車は、天井は唐破風で、紅梁に四神の彫がなされている。
唐子車の四本柱の周りを囲う霞幕は、八代中村勘三郎、八代松本幸四郎など芸人の書や画が描かれたものだ。曽我廼家十吾はススキに雁を描き、 

楽の笛  雁うやうやしく 舞ゐにけり 

の句が書かれている。

神明社祭と名古屋まつりの時に山車は曳き出される。神明社祭には町内曳きが行なわれる。

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沢井氏関連イベント情報

第31回堀川文化講座
「名古屋広小路ものがたり」

昔も今も変わらぬ名古屋の中心の通り、広小路は今年開通350年を迎えました。広小路をそぞろ歩きをし、屋台をひやかし、喫茶店で憩い、映画を楽しむ。
広ブラは人々の娯楽の中心でありました。
第31回堀川文化講座は、その広小路の350年の歩みを記した『名古屋広小路ものがたり』の刊行を記念する会です。
刊行を記念し、西川流の名手西川長秀、杵屋彌之友さんが祝いの踊りと長唄を披露してくださいます。

  • 1. 越後獅子
    • 踊り : 西川流 西川長秀
    • 長唄 : 杵屋彌之友社中
  • 2. 娘七種
    • 長唄 : 杵屋彌之友社中
  • 3. 講演「名古屋広小路ものがたり
    • 講師 : 沢井鈴一

◎日時:2010年3月28日(日) 13時~15時
◎会場:橘ホール (愛知産業大学付属工業高校)地下鉄名城線 東別院駅下車西へ 東別院西側
◎冊子代:500円
◎定員:250名
◎お問い合わせ:中区役所まちづくり推進室 TEL: 052-265-2228

沢井 鈴一(さわい すずいち)
沢井鈴一1940年 愛知県春日井市生まれ。明治大学文学部卒業後、市邨学園高等学校で国語科を教え、2000年3月に定年退職。名古屋市中区、北区等の生涯学習センター講師を務めるかたわら、堀川文化探索隊代表として長年にわたり堀川文化の地を調査・探索し数多の企画展を実現。著書に『浮世絵は愉しい』『伝えたい-ときめきを共有する教育』『堀川端ものがたりの散歩みち』『花の名古屋の碁盤割』『名古屋本町通りものがたり』など多数。

Webサイト:開府400年・名古屋の歴史と文化