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- No1愛知万博事務次長に就任
- No2戦争体験の継承を
- No3県庁職員時代のエピソード1
- No4県庁職員時代のエピソード2
- No5県庁職員時代のエピソード3
- No6県庁職員時代のエピソード4
- No7県庁職員時代のエピソード5
- No8万国博覧会の歩み
- No9主会場青少年公園に変更
- No10環境に配慮した会場建設
- No11市民参加と愛知万博
- No12ナショナルデー
- No13官民混成の難しさ
- No14ECO技術
- No15愛知万博の遺産
第10回
-インタビューの内容を要約して記事にしています-
環境を重視した会場建設
瀬戸(海上の地区)から長久手(愛知青少年公園)に主会場を移し、しかも「自然の叡智」「自然との共生」を大事にする博覧会に する宿題を背負い込みました。そんなことが出来るかという懸念もありましたが、リスクを覚悟で大きな木の移植を決断しました。また、13ある溜池についても、原状保全は当然ですが、工事過程の泥水などの汚染による植生の変化に最大限の注意を払いました。最大の課題は地形を変えずに百数十カ国のパビリオンを配置することでした。これには大変苦労してみんなが知恵をしぼりました。幸いにも、当時から20年ほど前に通産省(現:経済産業省)がパイプの柱を立てて平面を作る研究を専門家に依頼し、その成果が 通産省(現:経済産業省)の倉庫にあったので活用しました。この方法は1つのポイントに、3本ほどの傘を反対にしたようなパイプを 立てて平面部分を支えます。基礎部分にパイプを打ち込み各パイプの高さを調整することで水平な地盤をつくり、それをループ状に することで解決することが出来ました。この名称を何にするかということで、思いつきでしたが一回りすると世界一周できる 「グローバル・ループ」にしたらどうかと提案し採用されました。
既存施設の活用
もう一つの課題は、青少年公園の中に並んであったスケートリンクと温水プールの活用です。2つ合わせて100億円以上の建設費を かけて、建設からあまり経っていませんので撤去することもできません。それでスケートリンクの方は、北極の厳しい自然を表現する展示を行い、温水プールでは赤道直下の厳しい自然や熱帯雨林をやろうということに決定しました。スケートリンクの展示を模索するなかでシベリアの永久凍土のなかに眠るマンモスを発掘し、世界で初めて冷凍状態のまま展示を行うことになり、大変な好評を受けました。
里山の良さを表現した瀬戸会場
瀬戸会場では、規模は小さいものの里山の良さを表現するパビリオンを設置しました。パビリオンのなかにムササビなどが実際に入ってくることも可能で、日本の里山の自然のモデルを目指しました。二つの会場を燃料電池車でつなぎ、一体的な運用をはかりました。
愛知万博会場
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写真と関連資料
資料提供:愛知県観光コンベンション課 あいち海上の森センター