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- ❶栄地区再生へ
- ❷久屋大通公園再生
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- ❻栄地下街
- ❼ 世界コスプレサミット
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- ❾ テレビ塔リニュアル
- ❿ ミツコシマエ ヒロバス
- ⓫ 進捗する久屋大通公園再整備
- ⓬ 光安名古屋市住宅都市局長に聞く
- ⓭ 総集編
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*このシリーズは、久屋大通公園(北エリア・テレビ塔エリア)の整備事業の進捗を中心に名古屋栄地区をハードおよびソフト面でインタビュー形式で紹介する企画です。2020年7月まで、約1ヶ月ごとに発信し栄地区の魅力をお届けします。*
Network2010では、リニア時代の名古屋のまちづくりをメインテーマとして名古屋駅、笹島、名古屋港など名古屋市西部地区を取材して掲載しましたが、第2弾として栄地区の再生!をテーマとして新しいシリーズを開始します。2019年1月初頭より久屋大通公園北エリア・テレビ塔エリアの整備運営事業が開始され、栄地区の再生がスタートしました。このシリーズでは、2020年オリンピック開催時期にあわせた久屋大通公園北エリア・テレビ塔エリアの整備運営事業終了までほぼ1ヶ月に1度のペースで、官民各界の提言をインタビュー取材いたします。また、完成時にあわせて総集編を制作する予定です。映像制作はNetwork2010(任意団体)が行い、運営はNPO法人 ビジュアルコンテンツ・プロダクトネットワークが行います。民主導の形態で行いますが、取材・制作に当たっては整備運営事業を推進する名古屋市住宅都市局と密に情報交換し、密度の濃いコンテンツを皆様にお送りする予定です。
第2回目として、名古屋市:久屋大通再生有識者懇談会の座長を務めておられる堀越 哲美(愛知産業大学 学長)に、久屋大通の今後の整備についてお伺いしました。
インタビュー要約
久屋大通の誕生と歩み
第二次世界大戦後の戦災復興事業として100m道路の建設が考えられました。名古屋では当時の佐藤正俊市長と田淵寿郎氏(市助役)が中心になって100m道路の建設が進められました。戦災復興事業として全国的に100m道路の建設が唱えられましたが、実現に至ったのは名古屋の久屋大通と若宮大通、広島の平和大通だけでした。その他名古屋では50m道路が九本建設されました。徳川家康によってつくられた名古屋城下は中心部が碁盤の目に区画され、戦後になって久屋大通は碁盤割の東端に100m道路が建設されたのが名古屋の特徴です。戦前の耕地整備事業、戦後の復興事業がこれからの「まちづくり」に大きな遺産を残してくれました。
久屋大通の建設は、防災機能の充実や道路の多目的化が意図としてあったんだろうと思います。それで駐車場を地下につくり、道路の中に公園の機能を持たせて、歩く人にとっても、車にとっても通りやすい道をつくってきたのが一つの特色だと思っています。
久屋大通の再生計画
栄地区周辺の街は、道路の沿線で北から南と違っています。現在でも東側と西側が違いますし。例えば、錦通と広小路通を挟んで北側と南側が違います。桜通から北はまた違う展開で、静かな公園になっています。街ごとの意味合いは随分違っていると思います。久屋大通公園の南側については現在検討していますが、北側に人が行きやすくなり、集まりやすくなる事が重要だと思います。
今回パークPFIという試みを行いますが、これだけ大規模で、しかも都心の一等地の公園に適応するのは全国でも第1号で、画期的なことです。テレビ塔界隈と南と北とは整備内容がちがいます。テレビ塔界隈までは、街のにぎわいを創出するため、例えば2階建てが想定されていますが店舗等が置かれます。北側にも一部カフェ的なものなどもありますが、スポーツを楽しむ人達の着替えの場所などの施設が置かれます。公園全体をそれらの施設でつないぐことで回遊性が高まって行くと考えています。
三箇所を結ぶトライアングル
現在、名古屋駅元気になって栄が寂れているといった感じがありますが、しかし元々の中心である栄を繁栄させることが重要です。栄と名古屋城と名古屋駅のトライアングルを結ぶことが大事です。もうひとつ忘れてはいけないのが、栄地区の南にある大須で、久屋大通の南と接続しています。この大須もターゲットに入れつつ、それぞれ持っている特性を生かしていかなくてはいけません。栄は賑わいがあり又、大きな緑地広場を持っている。名古屋城は天守閣の木造再建を控えていますが、本丸御殿も再建され他に例を見ない歴史・文化の観光スポット。それに交通こ結節点でありリニアが開通する名古屋駅。二都物語(チャールズ・ディケンズの長編小説)は知られていますが、三都物語みたいな三箇所を結ぶトライアングルを形成することが大事で、その間の活性化が名古屋全体を引き上げることになると考えています。
リニア開通に向けて
リニア中央新幹線の名古屋延伸が2027年という事なので、それまでに色んなことをやって欲しいわけです。栄の久屋大通公園バスターミナル(2019年3月末閉鎖)の跡地の暫定利用(2023年3月まで)が先月コンペで決まりました。これと北側の再生・整備が起爆剤になって、2027年のリニア開通に向けて南側の再生・整備を進める展開になると思います。
「まちづくり」を担う人材の育成
「まちづくり」に関わる人たちを増やしていかなくてはいけないと思います。専門家を育てる必要もありますが、例えば、市民が活動するなかで官民で事業を起こすこと等で人材を育ててゆく必要があると考えます。学校での教育だけでなく、役所、NPO、市民団体などが一丸となり、街をあげて「まちづくり」を行う必要があり、それに参加することが人材育成につながってゆくことと思っています。