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三重県の歴史街道 伊勢街道の概要の一部
伊勢街道は、日永の追分で東海道から分岐して、 伊勢湾沿いを南下し伊勢へと至る。その距離およそ十八里。 日永の追分、白子、津、六軒、松坂、斎宮そして伊勢への ルートは、近世にはほぼ固定され、幕府によって脇街道として整備された。
「伊勢に行きたい伊勢路が見たい。 たとえ一生に一度でも」と 伊勢音頭にも歌われ、多くの人々があこがれた伊勢参り。
もともと伊勢神宮は皇祖神を祀る神社として、 一般人は 参拝することができなかったが、平安時代以降、 天皇・貴族の権力が衰えると、武士、そして庶民にも伊勢信仰が 広がり、室町〜戦国時代ごろには庶民の伊勢参宮もかなり一般化していたという。
また 御師(おんし)と呼ばれる人々が地方に赴いて布教活動を行い、 各地で「講(伊勢講)」と呼ばれる組織を作り、組織的に伊勢参りをすすめていった。
四日市市の伊勢街道
日永の追分の追分で東海道と分岐した伊勢街道は県道103号線上を南下する。内部川を渡った所で県道103号を西に折れ、川沿いを100m余り進み左手に曲がり再び南下する。
右手に河原田神社の鳥居、左手に光明山常超院を見て、再び県道103号線と交差するあたりで鈴鹿市へ入る。
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神戸(かんべ)城下へ進む
県道103号と交差し鈴鹿市に入り関西本線の踏み切りを渡り右に折れて線路と平行するように進む。県道103号線の約400m西のあたりで鈴鹿川を渡ったが、嘉永6年(1853)に有料の木橋が完成が完成するまでは渡し船で渡河したといわれている。
鈴鹿市十宮1丁目の常夜灯を過ぎると、参宮の旅人等を監視する番所、神戸の見附。木戸があり夜間は閉じられた。宿の北の入口である。入口付近にある旅館「加美亭」は現在も営業を続けている。連子格子の町並みを進み、浅野弥衛記念家、亀屋清泉庵前を通りおおはしを渡り、神戸城下の中心部へ入る。
神戸城は、神戸氏が天文年間(1532年 - 1555年)に築城した。天正8年(15809、織田信長の3男、神戸信孝(神戸家の養子)が五重の天守閣を築いた。その後一柳氏、石川総長と城主が変わったが、享保17(1732)に本多忠統が2万石で封じられ、明治維新まで本多氏の居城となった。天守は1595年に解体され、桑名城に三重櫓として移築され神戸櫓と呼ばれた。神戸城の北西と伊勢街道沿いに、龍光寺、真宗高田派別院などの寺が配置されて寺街を形成している。
浄願寺を過ぎたあたりで城下町を出る。
村瀬病院前にある昭和5年建立に地子町の人々によって建てられた大きな常夜灯の前を過ぎ、伊勢鉄道の下を山の神を右手に見て国道23号線を渡り玉垣町へ進む。
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玉垣町から白子へ
玉垣町小学校の西を進むと正信寺の前が枡形になっており道標が置かれている。さらに進み国道23号線に突き当たる所のに道標があり、ほぼ直角に左へ伊勢街道は折れる。しばらく進むと式内弥都加伎神社が左手にあり、神社前で分かれる道路を右方向へ進み海岸に向かって白子方面へ進む。
式内弥都加伎神社の東、海岸沿いにある大黒屋光太夫記念館は、幕末にロシア漂流し女帝に謁見を許され帰国した回船の船頭大黒屋光太夫関連の資料を展示している。
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白子
江島町へ進み、近鉄名古屋線の踏み切りを越えたあたりに鎌倉時代の北の端の地蔵と役行者神変大菩薩が県道6号線の両側にある。ところどころに連子格子の家が残る江島本町を進むと、左手奥に江島若宮八幡神社が鎮座している。
江島領主小笠原氏の菩提寺雲心院、青龍寺を過ぎ白子へ進む。鈴鹿白子郵便局の前まで来ると枡形になっており高札場も置かれていた。枡形を過ぎるとすぐに旧河芸郡 役所跡が左手に現れる。枡形の西にある伊勢型紙資料館は、白子屈指の型紙問屋であった寺尾斎兵衛家の住宅を修復して伊勢型紙の歴史を紹介している。白子は、江戸時代には紀州徳川家の領地であった。白子港は紀州藩から江戸への荷物を運ぶ船の拠点港として、伊勢湾岸で最も賑わった港であった。
海岸に沿って南西に伊勢街道をすすむと久留真神社の前に出る、その先にある唯信寺の門前を過ぎ、鼓ケ浦方面へ進む。鼓ケ浦海岸は海水浴場としても有名で夏には多くの人出でにぎわう観光名所でもある。
寺家の高野山真言宗の観音寺は、「白子の子安観音」の呼び名で親しまれている。境内にある不断桜は国指定天然記念物に指定されている。磯山町の八幡神社を過ぎ中ノ川を渡り津市に入る。
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