甚目寺観音のある辺りは、六世紀末の頃は海に面していた。西暦597年、伊勢国甚目村の漁師龍麿という者が尾張国の入り江で投網をしていたとき、金色の聖観音像を引き上げ、 入り江のかたわらに草堂を建て観音像を安置し、自らの姓氏をとり甚目寺(はだめでら)と名付けたのが寺の創建にまつわる 伝承として残っている。
聖観音像は、釈尊の授記を受けて作られたもので、信州の善光寺の本尊と共に百済をへて日本へ渡り、 585年に海中に投じられた三像仏の内の一尊といわれている。 また、天智天皇が甚目寺で祈祷したところ、病が快癒したということから、甚目寺は勅願寺となった。 南大門、東門、三重塔などが重要文化財に指定されている。
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