「刈谷万燈祭(かりやまんどまつり)」は、刈谷市銀座にある秋葉社の祭礼です。太鼓や笛の音とともに武者や鬼などをかたどった万燈を担いで秋葉社一帯を練り歩き、火難防除・町内安全を祈願します。230年余の歴史を誇り、愛知県の無形民俗文化財にも指定されています。
万燈祭の起源
氏子七町の大万燈が競い合うように舞いを披露秋葉社は宝暦6年(1756年)に秋葉堂として建立され、火伏せの神として信仰を集めていました。古文書「刈谷庄屋留帳」によると、安永7年(1778年)の祭礼に笛や太鼓とともに万燈が登場したと記されており、現在はこれを起源としています。
現在の祭礼は7月の最終土曜日と日曜日の2日間開催されます。初日を「新楽(しんがく)」2日目を「本楽(ほんがく)」と呼び、「新楽」では7町の氏子町(広小路、新栄町、銀座、司町、寺横町、東陽町、広小路五組)に加え市内の企業や住民グループも参加し、十数基の万燈が威勢良く市内を巡回します。
「本楽」では氏子七町の万燈が市内を練り歩き、秋葉社の境内で神前舞を奉納します。
高さ約5メートル、重さ約50キロの万燈を担いで舞いを披露
子どもたちも子どもサイズの万燈を担いで舞う万燈は竹の骨組みに和紙を貼って彩色した張子人形で、内部に電球が取り付けられています。故事や伝説を題材にしたものが多く、鬼や武者をかたどった迫力ある万燈が夜の町に色鮮やかに浮かび上がります。
高さ約5メートル、重さ約50キロの万燈を若衆1人が担ぎ上げ、笛や太鼓のお囃子に合わせて万燈を回しながら舞います。
近年は女性参加者が増えて活気が増し、万燈祭の観光客も増えています。また、お祭りの合間に万燈体験を実施するなど初めての人にも親しみやすいお祭となっています。