2009年5月23日・24日、名古屋市西区南押切にある津嶋神社の祭礼「石取り祭り」が行われました。このお祭りは毎年5月の第4土曜日、日曜日に行われています。
石取まつり
昭和30年頃の石取まつりの様子(写真提供:石取山車保存会)西区南押切にある津嶋神社の祭礼は、昭和10年まで近隣地区と同様に神輿(みこし)による祭礼が行われていました。昭和10年、桑名から祭車4台を譲り受けたのを機に石取まつりが行われるようになりました。
からくり山車が多い名古屋地区では珍しい石取型の祭車です。ご本家桑名の石取まつりと同様、鐘と太鼓を激しく打ち鳴らし町内を練り歩きます。
女性会、子供会など地区住民の協力も盛んで祭りが近づくと神社の境内で子供たちが鐘、太鼓の稽古にいそしむ姿が見られます。
戦後、祭車のうち1台は桑名に返還され、現在は3台の祭車で祭りが行われています。
この地区は、戦前は軍需工場の靴を生産しており、戦後も名古屋地区で最大の靴生産地として発展してきました。現在では靴の生産も下火となりましたが、「町の活性を取り戻すためにも石取まつりの担う役割は大きい」と石取山車保存会長 安藤博さん。
夜になるとグッと祭りムードが出てくる津嶋神社前で鐘と太鼓を打ち鳴らす子供たち保存会のみなさんは、先人によって培われた祭りの伝統を後世に伝承する使命感に燃えており、名古屋開府400年の記念事業にも参加したいと意気込んでいました。
動画
石取まつり(西区津嶋神社の祭礼)
津嶋神社の祭礼として、昭和10年に桑名から祭車4台を譲り受け、神輿(みこし)の祭 りから、石取まつりへと形を変えて行われている。
解説:石取山保存会 会長 安藤 博