【動画】名古屋城本丸御殿復元へ!飾金具の製作
- INDEXへ
- 復元工事着工!
- 玄関復元過程特別公開
- 上棟記念式典
- 玄関・表書院公開
- 対面所・下御膳所公開
- 本丸御殿完成2018年
- 整備担当 若野主幹に聞く
- 魚津源二会長に聞く
- 伝統技術の継承-左官工事
- 金具の製作と取り付け
玄関破風(はふ)金具
名古屋城本丸御殿の復元工事が進んでいますが、本丸御殿建築の工事過程には様々なものがあります。 本丸御殿復元の1つのテーマでもある「伝統技術の継承」は、この工事過程のなかで着実になされています。このコーナーでは、「玄関破風(はふ)金具の取り付けと表書院の舞良戸建具の飾金具の製作」の様々な行程を映像で紹介しています
玄関破風(はふ)金具の取り付け
玄関破風(はふ)金具は、玄関の破風に取り付けられる金具。唐草模様や三つ葉葵紋を鏨(たがね)という道具で彫り描きます。銅でできており、模様を彫った後、漆(うるし)を塗り金箔が貼られています。
取り付けは金具を製作した専門の職人が行います。破風の拝みと呼ばれる一番高い位置に、漆に傷が付かないよう細心の注意を払い八双金物を取り付けます。まず模様のつなぎ目や、左右のバランスを確認するため仮止めをします。つぎに樹脂性のハンマーを使って釘で軽く破風板を固定し、取り付け位置を確認してから、釘を打ち込み固定します。破風の両端にも八双金物を取り付けます。八双金物取り付け後、三つ葉葵紋、懸魚の装飾が施されます。

写真
-
玄関破風(はふ)金具
-
破風の拝み(一番高い位置)に八双金物を取り付ける
-
破風の拝み(一番高い位置)に八双金物を取り付ける
-
左右のバランスを確認仮止めをする
-
樹脂性のハンマーを使い釘で軽く破風板を固定
-
釘を打ち込み固定された八双金物
-
破風の両端にも八双金物を取り付ける
-
取り付け後の玄関破風(はふ)
表書院の舞良戸の飾金具地板の加工
材料は厚さ1.2ミリの銅版。鏨(たがね)という道具を使い、金具の外側に添って地板(銅板)を切断します。次に、鏨で切断した切り口を整えるためヤスリで削ります。削り終わると砥石(といし)を使い地板表面を研いでゆきます。これを行うことで鏡面の傷を払い付着した油分を取り除きます。焼なましは、彫金の加工をを容易にするための工程です。
写真
-
表書院の舞良戸建具の飾金具の製作
-
厚さ1.2ミリの銅版を鏨(たがね)で切断
-
切断された地板(銅板)
-
ヤスリで削り切り口を整える
-
砥石(といし)で地板表面を研ぐ
-
砥石(といし)で地板表面を研ぐ
-
彫金を容易にするため焼きなましを行う
-
彫金を容易にするため焼きなましを行う
表書院の舞良戸の飾金具の彫金
地板に文様の型を置き、転写を行います。地板を松ヤニで作った台に乗せ、鏨を使い転写した文様を彫り進みます。文様の外側の地(ぢ)の部分には、魚々子鏨(ななこたがね)という道具を用いて魚々子(ななこ)という細かな円を連続して彫ります。細やかな魚々子蒔き(ななこまき)によって、牡丹と唐草の紋様が浮かび上がります。この後、金鍍金(きんときん)が施され、御殿の装飾にふさわしい仕上がりとなります。
写真
-
地板に文様の型を置き転写を行う
-
松ヤニで作った台に乗せ文様を彫り進む
-
松ヤニで作った台に乗せ文様を彫り進む
-
文様が彫られた地板牡丹と唐草の紋様
-
魚々子鏨(ななこたがね)で細かな円を連続して彫る
-
魚々子鏨(ななこたがね)で細かな円を連続して彫る
-
魚々子鏨(ななこたがね)で細かな円を連続して彫る
-
彫りが終わると金鍍金が施され完成