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玄関破風(はふ)金具
名古屋城本丸御殿の復元工事が進んでいますが、本丸御殿建築の工事過程には様々なものがあります。 本丸御殿復元の1つのテーマでもある「伝統技術の継承」は、この工事過程のなかで着実になされています。このコーナーでは、「玄関破風(はふ)金具の取り付けと表書院の舞良戸建具の飾金具の製作」の様々な行程を映像で紹介しています
玄関破風(はふ)金具の取り付け
玄関破風(はふ)金具は、玄関の破風に取り付けられる金具。唐草模様や三つ葉葵紋を鏨(たがね)という道具で彫り描きます。銅でできており、模様を彫った後、漆(うるし)を塗り金箔が貼られています。
取り付けは金具を製作した専門の職人が行います。破風の拝みと呼ばれる一番高い位置に、漆に傷が付かないよう細心の注意を払い八双金物を取り付けます。まず模様のつなぎ目や、左右のバランスを確認するため仮止めをします。つぎに樹脂性のハンマーを使って釘で軽く破風板を固定し、取り付け位置を確認してから、釘を打ち込み固定します。破風の両端にも八双金物を取り付けます。八双金物取り付け後、三つ葉葵紋、懸魚の装飾が施されます。
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表書院の舞良戸の飾金具地板の加工
材料は厚さ1.2ミリの銅版。鏨(たがね)という道具を使い、金具の外側に添って地板(銅板)を切断します。次に、鏨で切断した切り口を整えるためヤスリで削ります。削り終わると砥石(といし)を使い地板表面を研いでゆきます。これを行うことで鏡面の傷を払い付着した油分を取り除きます。焼なましは、彫金の加工をを容易にするための工程です。
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表書院の舞良戸の飾金具の彫金
地板に文様の型を置き、転写を行います。地板を松ヤニで作った台に乗せ、鏨を使い転写した文様を彫り進みます。文様の外側の地(ぢ)の部分には、魚々子鏨(ななこたがね)という道具を用いて魚々子(ななこ)という細かな円を連続して彫ります。細やかな魚々子蒔き(ななこまき)によって、牡丹と唐草の紋様が浮かび上がります。この後、金鍍金(きんときん)が施され、御殿の装飾にふさわしい仕上がりとなります。