藤條聡名古屋市住宅都市局長インタビュー要約
名古屋市住宅都市局長に
国土交通省から2020年7月名古屋市住宅都市局長に着任しました。16年前に中部地方整備局に在籍しており、名古屋との関わり今回で2度目となります。中部地方整備局当時は、中部国際空港の開港、また愛・地球博に向けてのインフラ整備が積極的に行われた時期でした。また、埼玉県の川越市でも都市計画部長をしており、市役所のまちづくり行政に対しては十分な経験を積みましたので、その経験を名古屋のまちづくりに活かせるのではないかと思っています。
「スーパーターミナル・ナゴヤ」へ
名古屋は日本の真ん中に位置しており、リニア中央新幹線が開通すれば首都圏とは40分、近畿圏とは30分で結ばれます。こうなれば世界の方々が日本を訪れる時に、わざわざ羽田とか成田、そして関西国際空港を使わなくても中部国際空港を玄関口として日本を訪れるといった構図が出来上がってきます。リニアで関東にも近畿にも行くということで、まさに日本の中心となって行く、スーパーターミナル、ハブ化を進めていくことが、今、きわめて重要な時期にあるんではないかと思っています。
都心への誘引ー次世代の交通システムSRT
リニアで名古屋に来られた方を、いかに名古屋の中心地である栄、大須そして名古屋城がある名城地区に誘引することは、非常に重要なファクターです。次世代の交通システムSRT(Smart Roadway Transit)など、すぐに都心部に行けて、ゆっくり観光できるような交通手段をリニア開業を見据えて作っていくことが重要な課題だと考えています。
パリでの経験を活かし中心部の活性化を
2006年から2009年までフランス日本大使館に勤務して、パリのまちづくりを研究しておりました。面的に低層に広がっており、歩いていて楽しい街ですが、このような街を作るために、名古屋ではどういった方策が可能なのか、非常にチャレンジしがいのある課題です。パリにいたときに、エッフェル塔のすぐ近くに住んでいましたが、塔の足元に広大なグリーンインフラとも呼べるシャン・ド・マルス公園という芝生の公園が広がっています。2020年9月に久屋大通パークが開業しましたが、北エリアのシバフヒロバから名古屋テレビ塔を見た風景がパリのエッフェル塔にそっくりなんです。塔を見ながら 市民がゆっくり憩える、都心のオアシスのような拠点をしっかり活かしながら中心部の活性化をやってゆきたいと思っています。
リニア開業に向けての名古屋のまちづくり
2027年のリニア開業は少し遅れると言われていますが、名古屋開業から大阪開業までの期間、名古屋を最終目的地としない方々でも、一度は名古屋に足を踏み入れることになり、非常に多くの方が名古屋訪れることになります。このタイミングを好機ととらえて、しっかりと魅力的なまちづくりを進めてゆくことが、都市戦略上も重要なテーマだと思ってますので、例えば高品質ホテルや高機能のオフィスを都心部に誘致。大胆な規制緩和を進めることで東京、大阪と伍する、むしろそれを超えるまちづくりをして行くことが重要だと思っています。