シリーズ名古屋市 「栄地区グランドビジョン」NO4-東京から名古屋を考える

【動画】東京から名古屋を考える

栄地区グランドビジョン 索引へ

講演内容の要約

名古屋の魅力の再点検と課題

本当に素晴らしい魅力がいろんな所にこんなに沢山ある街は、そんなにないと私は思います。ただそれが、ばらばらになっている所があるので、その魅力を見つめなおして繋ぎあわせることで、かなりの相乗効果がでると考えています。それから今まで蓄積した財産を活かして使う街づくりを進めて行くことが必要だと思います。ここがポイントですが、今までは人工的にゾーンに分けて「まちづくり」を進めていますが、本来はいつの間にか街に入ると雰囲気が変わっているといった感じの「まちづくり」をすべきじゃないかと提案します。それから実現可能な提案を検討してゆく事も重要です。小さな事でも出来ることから提案して成功を積み重ねることが大事なことだと考えています。

連携による回遊の実現

現在、名古屋駅がリニア新幹線の開通で騒がれています。一方で久屋大通や若宮大通(通称100m道路)また100m道路の少し南に大須があり、このような 位置関係で名古屋の心臓部が構成されています。ただそれぞれが色んな魅力があるんですが、まだ十分にその魅力が発揮されてないと思います。 私がかって所長を務めていた名古屋城も、150~160万の来城者があるのに周辺にぜんぜん人が流れていません。名古屋市役所も愛知県庁もせっかく重要文化財に 指定されたのに三之丸の官庁街は閑散としています。栄地区も名古屋駅に人を持ってゆかれてしまっています。栄地区は「コスプレサミット」や「日本ど真ん中祭り」 に加え商店街の人が頑張っている割りには、人が名古屋駅に流れているのが原状です。多様な賑わいの拠点があるのにかかわらずバラバラになっているのが大きな問題です。あるていど連携して回遊できるようにする必要があると思います。

名古屋の街を検証

名古屋の街の歴史を検証していく必要があると思います。名古屋はもともと商業、ものづくり産業を中心に発展してきました。この背景には、木曽川とか伊勢湾の存在が欠かせません。伊勢湾は水深が浅く、水温も暖かいので海の幸に恵まれています。また木曽川の清流と森の恵みは、名古屋の貴重な財産となっています。これを背景に最初は商業町として繁栄しましたが、時代が経過して昭和時代になるとものづくり産業が集約してきました。みなさんがご覧になっている図の赤いループは、東京から名古屋を考える会のアドバイザーである 涌井史郎先生提唱する、未来から過去へ、そして未来へと循環する視点が「まちづくり」には必要であることを示したものです。

「街なかミュージアムゾーン」と「賑わいの道」

「街なかミュージアムゾーン」(点線で囲まれた赤丸)は、地下鉄、バス、徒歩で1日で名古屋を周遊することが出来る範囲を示しています。「賑わいの道」は、建中寺から覚王山、東山へ抜けるルート、名古屋城から本町通の西の久屋大通を南下して金山から熱田神宮へ向かうルート、 それから堀川を下るルートです。「街なかミュージアムゾーン」の中に、3本の「賑わいの道」のルートが通っていることを示しています。

「名古屋城から市役所、そして久屋大通への人の流れ

本当に残念なことは、市役所や県庁が市民に開かれていないことです。秋などには一般に公開されていますが、常時開放するようにすべきだと思います。たとえば、1階などは観光客に開放して資料を出したり、大正ロマンを感じさせるレストランやカフェ、ミュジアムショップを置いて観光客や市民の憩いの場にします。建築家の隈研吾先生などはクラッシック ホテルにするような提案をされています。パリなどでは城に宿泊することが当たり前ですし、市役所などは最高のロケーションだと思います。中庭でパーティなどの催しを行うことにより、名古屋城の来城者が市役所に流れて、さらに久屋大通に向かう仕掛けを作れば、おおきな人の流れを作ることが出来ます。

久屋大通公園の再生

久屋大通公園の北の部分は森として、その中で例えば自然環境を考える場として棚田を作り、蝶が飛び交いひよっとしたらホタルがいる場にして幼稚園児が 南下しながら自然環境を体験できる場として再生し、北から奥山、里山、野辺、野良という流れをつくります。栄に近づくに従って、街の風景が見えてくるよう に提案しています。現在は、友好都市のモニュメントが点在し大きな部分を占めていますが、これを栄に近い場所に集約を図った方が良いと思います。また、江戸時代からの名古屋の歴史を紹介することも必要だと考えます。

路地や広場や街角の活用

路地や広場や街角をもっと活用すべきだと思います。碁盤の目に区画すると街の活性が育ちにくくなります。なぜかと言いますと先が見通せてしまい、先に行く 気持ちを無します。ところが東京では、六本木や上野、浅草などの道は曲がりくねっており先が見えません、おかしなもので先に何かあるんじゃないかという思いが、ついつい人を歩かせます。そういう街角の中から文化が生まれてきます。そのなかに飲食やストリートミュージアム、パフォーマンスが展開され、いつ訪れても新しい発見がある空間をいろいろ展開してゆく必要があり、これが一番大事なことだと思います。

未来を支える若者へ

例えば2020年に「街なか」EXPOをみんなで達成し、2030年のリニア開通には、もう一度万博を開催したいと提案します。やはり色んな人が集まりつながる目標が必要で、これによって形成されたネットワークは大変重要です。我々の世代は、現役を離れつつありネットワークも切れてバラバラになってしまします。ゼロからこれを作るのは大変なことので、少しでもネットワークがあるうちに、若い世代にそのネットワークを活かしてもらいたい、若い人が主体となって国家プロジェクトを持ち込むような迫力がなければいけません。そのくらいの気概を持って未来を支えて欲しいと思います。

写真

  • 提案:東京から名古屋を考える会

    提案:東京から名古屋を考える会

  • 提案:東京から名古屋を考える会

    提案:東京から名古屋を考える会

  • 提案:東京から名古屋を考える会

    提案:東京から名古屋を考える会

  • 提案:東京から名古屋を考える会

    提案:東京から名古屋を考える会

  • 提案:東京から名古屋を考える会

    提案:東京から名古屋を考える会

  • 提案:東京から名古屋を考える会

    提案:東京から名古屋を考える会

  • 提案:東京から名古屋を考える会

    提案:東京から名古屋を考える会

  • 提案:東京から名古屋を考える会

    提案:東京から名古屋を考える会

  • 提案:東京から名古屋を考える会

    提案:東京から名古屋を考える会

  • 提案:東京から名古屋を考える会

    提案:東京から名古屋を考える会

  • 有識者からの提言:赤池学氏

    有識者からの提言:赤池学氏

  • 有識者からの提言:隈研吾氏

    有識者からの提言:隈研吾氏

  • 有識者からの提言:白石真澄氏

    有識者からの提言:白石真澄氏

  • 有識者からの提言:涌井史郎氏

    有識者からの提言:涌井史郎氏

  • 有識者からの提言:渡辺広之氏・牧村真史氏

    有識者からの提言:渡辺広之氏・牧村真史氏

  • 東京から名古屋を考える会メンバー

    東京から名古屋を考える会メンバー

  • 出席者からの意見:名古屋外国語大学

    出席者からの意見:名古屋外国語大学

  • 出席者からの意見:名古屋外国語大学

    出席者からの意見:名古屋外国語大学

栄地区グランドビジョン 索引へ

このページの先頭へ