沢井鈴一の「名古屋の町探索紀行」第10講 下街道大曽根界隈 第9回「油屋『熊野屋』」

油屋『熊野屋』

赤塚町にある享保十年(一七二五)創業の油屋「熊野屋」

赤塚町にある享保十年(一七二五)創業の油屋「熊野屋」

赤塚の町名由来を『尾張名陽図会』は、次のように記している。

むかし弘法大師、熱田宮に籠り給ひ、夏百日が間、五の日毎に龍泉寺の観世音に詣で、余の日にはこの大曽根の地に檀をかまへ、護摩を修行し給ひけるとかや。その旧跡今に残りてすべり山といふ。その地に草生ぜずといふ。この時に阿伽の水を汲み給いし所を号けて阿伽塚といふ。今の赤塚町これなり。

赤塚町に享保十年(一七二五)創業の油屋「熊野屋」がある。

昭和四十九年(一九七四)に、鉄筋コンクリート造りに改築されたが、店の奥は文化五年(一八〇八)に建てられたものである。

資料室には、明治四十三年の一升桝や石油用の一升徳利等が保存されている。

地図


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