上街道 犬山市

 小牧・長久手の戦いで秀吉方の本陣があった楽田城跡

小牧・長久手の戦いで秀吉方の本陣があった楽田城跡

上街道・木曽街道(名古屋市~中山道太田宿)
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楽田付近

犬山市域に入り名鉄小牧線楽田駅の南に楽田城北の門石仏門がある。その西300mほどの所にある市立楽田小学校は、楽田城があった場所。永正年間(1504-1520)に尾張守護代であった織田久長が築城したと伝わる。
小牧、長久手合戦の緒戦では、羽柴秀吉が本陣を構え小牧城に陣を構えた徳川家康と対峙した。小学校の脇に石碑が立っている。
楽田城跡から東に1.5kmほど行った本宮山の麓に鎮座している大縣神社は、「大縣(おおあがた)造」という形式で造営され、尾張開拓の祖神とされる大縣大神を祭っている。
境内には「姫宮」と呼ばれる摂社があり、安産・子授・縁結び・夫婦円満・ 特に女性の守護神として信仰されている。また、初春の「梅まつり」や五穀豊穣・国家安泰を祈願し、尾張に春を呼ぶお祭りとして有名な大縣神社「豊年祭」は、天下の奇祭としても知られている。
楽田城跡の2kmほど西にある大縣神社の所有する青塚古墳は、4世紀半ばに造営された全長123メートル、最高部12メートルの前方後円墳。愛知県内の古墳では断夫山古墳に次いで2番目の規模の古墳。昭和58年には国の史跡に指定され、資料館なども併設した史跡公園となっている。


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  • 青塚古墳

    青塚古墳

  • 資料館

    資料館

  • 楽田城北の門旧跡

    楽田城北の門旧跡

  • 楽田城跡

    楽田城跡

  • 解説

    解説

  • 楽田城跡は小学校の敷地

    楽田城跡は小学校の敷地

  • 大縣神社本殿

    大縣神社本殿

  • 大縣神社姫宮

    大縣神社姫宮

  • 永泉禅寺

    永泉禅寺

  • 永泉禅寺

    永泉禅寺

楽田から稲置街道・岩倉街道追分へ

楽田城の北の門石仏門から1km弱、上街道を進むと上街道・稲置街道追分にさしかかる。ここで稲置街道は斜め左に分かれて犬山城下へ向かっている。
追分から2km弱で羽黒城跡にいたる。その途中の右手に小牧、長久手合戦の 緒戦で家康軍の酒井忠次・奥平信昌らの急襲を受け秀吉方の森長可が敗れた八幡林古戦場がある。野呂塚は、八幡林の戦いで戦死した森長可の家来の野呂助左衛門、助三父子を弔った墓、激戦の様子が偲ばれる。
羽黒にある興禅寺は、源頼朝の家臣で鎌倉幕府の侍所の別当として権勢を誇った梶原景時が、承安4年(1174)に菩提寺として建てた真言宗の寺院。頼朝の死後、景時父子が滅ぼされ、景時の孫の豊丸と遺族および 家臣の一部が、この羽黒にのがれて館を築いて住みついた。
興禅寺は景時の子孫景義が織田信長に仕えて羽黒三千石の領主となり、臨済宗として寺を再興した。興禅寺の北東の竹やぶの中にかっての羽黒城跡がある。
興禅寺の北にある公園の一角にある磨墨塚(するすみづか)は、平家物語の宇治川先陣争いに登場する名馬「磨墨」の墓と伝えられている。


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  • 上街道・稲置街道追分付近

    上街道・稲置街道追分付近

  • 上街道・稲置街道追分

    上街道・稲置街道追分

  • 八幡林古戦場・野呂塚解説

    八幡林古戦場・野呂塚解説

  • 八幡林古戦場・野呂塚

    八幡林古戦場・野呂塚

  • 羽黒城跡

    羽黒城跡

  • 羽黒城解説

    羽黒城解説

  • 興禅寺

    興禅寺

  • 興禅寺解説説

    戒蔵院解説

  • 磨墨塚

    磨墨塚

  • 磨墨塚解説

    磨墨塚解説

稲置街道・岩倉街道追分から犬山城下へ

羽黒から名鉄小牧線と平行して犬山城下へ向かう。犬山口を過ぎると岩倉街道と稲置街道は合流し下本町、中本町、上本町を通り犬山城へ進む。
追分から300m行った右手の徳授寺は臨済宗妙心寺派の寺院。下本町の西、下大本町にある庚申堂は三叉路に建っており全国的にも珍しい。
犬山市役所近くの愛宕神社は、かっての木ノ下城があった場所。木ノ下城は、応仁3年(1469)、尾張国守護代の織田敏広により、美濃国の斎藤氏の 防備として築城された。天文6年(1537)、織田信長の叔父にあたる織田信康は、木ノ下城を廃城し木曽川南岸に犬山城を築城した。


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  • 徳授寺

    徳授寺

  • 徳授寺解説

    徳授寺解説

  • 下大本町三叉路庚申堂

    下大本町三叉路庚申堂

  • 下大本町三叉路庚申堂

    下大本町三叉路庚申堂

犬山城下

本町交差点を渡り、中本町へ進む。本町交差点の北東角にある真野邸は、明治27年(1894)に建造された丹葉銀行頭取の本宅。その北の左手の町屋邸どんでんの向かいにあるのがどんでん館。
どんでん館では、犬山祭で曳かれている高さ8mの車山が4輌展示してある。車山が辻で方向転換する様を「どんでん」と呼んだことから名づけられた。
旧磯部邸は、江戸期の建築様式を持つ木造家屋。主屋は幕末に建てられたと伝わっている。 緩やかなふくらみのある「起り屋根(むくりやね)」は犬山市内の町家で唯一現存しており、正面は2階建て、裏は平屋の「バンコ二階」と呼ばれる造りになっており登録有形文化財に指定されている。
大正初年の建築で、昭和初期まで酒造業を営んでいた高木邸、遠藤邸を右手に見て100mほど進むと高札場・問屋場・火の見櫓跡の前に来る。周辺の街道の両脇には「なつかし屋」「井上邸」「山田五平餅店」が並ぶ。
上本町には、天保十一年(1840)八代城主成瀬正住が建てた犬山藩校敬道館跡、犬山の文化財を紹介する「犬山市文化史料館」、九代玉屋庄兵衛氏による からくり人形細工の実演を見学できる文化史料館の別館「からくり展示館」などの文化ゾーンが広がる。
本町の東側の大上本町にある、常満寺は、鎌倉中期正応年間(1288-1293)に定照東安和尚により建立された。境内には中部椿の代表花、 「関戸太郎庵」の椿の実から成長したという有名な木「常満寺椿」がある。
その南に位置する専念寺は、弘治元年(1555)犬山城主池田勝入の創建した浄土宗の寺院。その後小笠原、平岩代々城主の菩提寺となり平岩家の墓所がある。
本町の東側の新町には宮田邸が、東古券の小島醸造は慶長2(1598)年創業の 忍冬酒の製造元。製法は文禄・慶長の役に従軍した2代目小島弥次左エ門が、捕虜となった朝鮮人捕虜を助けた際に御礼として製法を伝授されたそうだ。現在の建物は江戸後期建築の貴重なもの国の登録文化財の指定を受けている。
さらに西側の東古券には熊野神社、浄誓寺、圓明寺、西蓮寺、本龍寺などの寺社が集積している。
県道27号線の余坂の交差点の西にある奥村邸の主屋は天保13年(1842)の大火の後に建てられた国の登録文化財。邸内の「銀明水」は、天正10年、武田勝頼討伐のために安土城を発した織田信長が、 ここに立ち寄り水を飲んだといわれている。


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  • 真野邸、本町交差点

    真野邸、本町交差点

  • どんでん館(本町)

    どんでん館(本町)

  • どんでん館(本町)車山展示

    どんでん館(本町)車山展示

  • 犬山まつり車山揃い

    犬山まつり車山揃い

  • 町屋邸どんでん(本町)

    町屋邸どんでん(本町)

  • 旧磯部邸(本町)

    旧磯部邸(本町)

  • 高木邸(本町)

    高木邸(本町)

  • 遠藤邸(本町)

    遠藤邸(本町)

  • 井上邸(本町)

    井上邸(本町)

  • 犬山まちづくり株式会社(本町)

    犬山まちづくり株式会社(本町)

  • 高札場・問屋場跡(本町)

    高札場・問屋場跡(本町)

  • 山田五平餅店(本町)

    山田五平餅店(本町)

  • 犬山市市民邸(本町)

    犬山市市民邸(本町)

  • 藩校跡(敬道館-本町)

    藩校跡(敬道館-本町)

  • 犬山市文化史料館

    犬山市文化史料館

  • からくり展示館

    からくり展示館

  • 小島醸造(東古券)

    小島醸造(東古券)

  • 宮田邸(新町)

    宮田邸(新町))

  • 常満寺(大本町)

    常満寺(大本町)

  • 専念寺(大本町)

    常専念寺(大本町)

  • 熊野神社

    熊野神社

  • 浄誓寺(寺町通)

    浄誓寺(寺町通)

  • 圓明寺(寺町通)

    圓明寺(寺町通)

  • 西蓮寺(寺町通)

    西蓮寺(寺町通)

  • 県道27号線(旧国道41号線)

    県道27号線(旧国道41号線)

  • 旧奥村邸(余坂町)

    旧奥村邸(余坂町)

犬山城下周辺

犬山城廓に入ると綱針神社の鳥居が見える。綱針神社は延喜式神明帳所載の式内社で、濃尾の総鎮守であった。天文6年(1537)織田信長の叔父である織田信康が、木の下城移転のため犬山市白山平(犬山城の東方にある山)に遷座。慶長11年(1606)に白山平から名栗町に遷座され、犬山城主である成瀬氏の祈願所となった。明治維新の後の明治15年(1882)に名栗町から、1537年まで座地であった 現在地に遷座された。
犬山城は、天文6年(1537)、織田信長の叔父、織田信康によって木之下城より城郭を移して築いたといわれる現存する日本最古の木造天守閣。
江戸時代に入り、尾張藩付家老の成瀬正成が城主となり、幕末まで城主を務めた。平成16年に財団法人に移管するまで日本で唯一、個人(成瀬家)所有の城であった。
犬山城の西側、名鉄犬山ホテルの敷地内にある有楽苑には、信長の実弟、織田有楽斎が建てた国宝茶室如庵や重要文化財旧正伝院書院がある。
如庵は、茶の湯の創世期に尾張の国が生んだ大茶匠・織田有楽斎が建てた茶室で、昭和11年(1936)に国宝の指定をうけた茶道文化史上貴重な遺構。現存する国宝茶席3名席の1つとなっている。
旧正伝院書院は有楽齋の隠居所として如庵に隣接して建てられている。


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  • 綱針神社

    綱針神社

  • 犬山城

    犬山城

  • 犬山城

    犬山城

  • 犬山城

    犬山城

  • 犬山城天守からの景色木曽川下流

    犬山城天守からの景色木曽川下流

  • 犬山城天守からの景色木曽川上流

    犬山城天守からの景色木曽川上流

  • 有楽苑

    有楽苑

  • 有楽苑

    有楽苑

  • 国宝茶室如庵と正伝院

    国宝茶室如庵と正伝院

  • 国宝茶室如庵

    国宝茶室如庵

  • 国宝茶室如庵

    国宝茶室如庵

  • 国宝茶室如庵

    国宝茶室如庵

上街道 追分から天道宮神明社へ


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  • 上街道・稲置街道追分

    上街道・稲置街道追分

  • 上街道・稲置街道追分石仏群

    上街道・稲置街道追分石仏群

  • 上街道追分方面の風景

    上街道追分方面の風景

  • 鶴棲山福昌寺

    鶴棲山福昌寺

  • 鶴棲山福昌寺

    鶴棲山福昌寺

  • 福昌寺前の上街道

    福昌寺前の上街道

  • 天道宮神明社

    天道宮神明社

  • 天道宮神明社楼門(愛知県有形文化財)

    天道宮神明社楼門(愛知県有形文化財)

  • 天道宮神明社境内

    天道宮神明社境内

  • 天道宮神明社拝殿

    天道宮神明社拝殿

上街道 天道宮神明社から善師野宿へ


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  • 善師野宿案内図

    善師野宿案内図

  • 善師野宿南入口付近

    善師野宿南入口付近

  • 善師野宿御番所跡付近

    善師野宿御番所跡付近

  • 善師野宿南入口方向

    善師野宿南入口方向

  • 善師野宿常夜灯から北方向

    善師野宿常夜灯から北方向

  • 善師野宿禅徳寺山門

    善師野宿禅徳寺山門

  • 善師野一里塚

    善師野一里塚

  • 善師野宿はずれの祠

    善師野宿はずれの祠

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