本丸御殿再建と名古屋城総合整備その1-名古屋城総合事務所下山所長に聞く

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インタビューの要約

名古屋城整備計画

本丸御殿再建をきっかけとして、名古屋城全体(名古屋城総合整備)の整備を現在進めています。名古屋城の南(名城シェルター跡)、金シャチ横丁建設構想を現在進めています。同時に地下鉄名城線市役所駅7番出入り口付近に 東のゲートウェイとして飲食を中心とした施設も建設し、平成28年度には一部をオープンさせる予定です。また、名勝 二之丸庭園についても、石組みなどの崩落や樹木の繁生により江戸時代の庭園の状態から、かけ離れてしまっているので、本年度から遺跡の発掘調査をおこなった後、江戸時代の姿に復元して行こうと考えています。

本丸御殿の復元

名古屋城本丸御殿は、昭和20年5月14日の空襲によって天守閣とともに焼失してしまいました。天守閣は、昭和34年に市民のみなさんの支援もあって再建されました。本丸御殿の復元の声は、昭和時代から上がっていましたが実現にはいたりませんでした。
まずは、焼失を免れて残っている1049面の重要文化財の障壁画を、当初は研究目的で行われましたが、順次、当時の技法にならって復元模写する作業を平成4年度から開始いたしました。また、平成10年から13年にかけては、本丸御殿を復元するにあたっての、諸課題や経費の問題の検討が行われ建設費用に関しては150億円程度かかるといった試算が出てきました。
平成17年、愛知万博開催に合わせて3月から6月までの3ケ月間、名古屋城で「新世紀・名古屋城博」を開催しました。天守閣から雄雌の金鯱がおろされ、ドームの中に展示されました。本丸御殿の復元に向けたピーアールも合わせて行い、来場者の本丸御殿復元への熱い思いを感じました。当時、本丸御殿の整備を主幹として担当していましたので、着工に至る3年半ほどを、本丸御殿の復元をめざす本丸御殿フォーラム(現名古屋城文化フォーラム)や、これに関わる地元の職人さん、一般市民の皆さんの熱意にこたえるため、愛知県内唯一の特別史跡に本丸御殿を復元することへの文化庁の許可や財源の手当てなどの様々な課題を克服、整理してまいりました。当時6億円かかった天守閣再建費用の2億円を市民の浄財でまかなったことの前例を踏まえ、本丸御殿についても150億の1/3、50億を市民からの寄付で賄おうと計画し、おかげさまで平成25年の7月、この目標を突破することができました。残りの100億円については、市税、県税、国税といった血税を使いますので、市民の方の理解を得るため様々な機会に、本丸御殿復元の意義や魅力を訴え続けております。

復元のスケジュールと今後

本丸御殿の復元のスケジュールについては、全体の工期が10年、3期に分けて工事を進めています。第1期工事の玄関・表書院については2013年5月に終了、現在一般に公開されています。現在(2014年8月)、素屋根に覆われている部分で第2期工事が進められており、平成28年の5~6月には完成、一般公開される予定です。全体の完成、公開は平成30年度を予定しています。
2013年5月に本丸御殿の一部公開が始まってから、来城者の数が3~4割増加しています。着工前は来城者の数で 全国の6~7番でしたが、現在はトップの首里城を追って第2位になっています。全体完成の暁には、名古屋城を中部圏の歴史、文化、匠の技を体感できる文化・観光の一大拠点にして行きたいと考えています。

写真

  • 名古屋城整備計画完成イメージ図

    名古屋城整備計画完成イメージ図

  • 金シャチ横丁完成イメージ図

    金シャチ横丁完成イメージ図

  • 東のゲートウエイ完成イメージ図

    東のゲートウエイ完成イメージ図

  • 二之丸庭園と二之丸御殿図面

    二之丸庭園と二之丸御殿図面

  • 名勝 二之丸庭園保存復元工事現場

    名勝 二之丸庭園保存復元工事現場

  • 焼失前の名古屋城

    焼失前の名古屋城

  • 天守の台座のみ残った名古屋城

    天守の台座のみ残った名古屋城

  • 本丸御殿跡の礎石

    本丸御殿跡の礎石

  • 本丸御殿跡の礎石

    本丸御殿跡の礎石

  • 復元工事着工(2009年1月) 

    復元工事着工(2009年1月)

  • 復元工事着工(2009年8月)

    復元工事着工(2009年8月)

  • 第1期玄関・表書院完成記念式典

    第1期玄関・表書院完成記念式典

  • 玄関一之間

    玄関一之間

  • 玄関一之間障壁画

    玄関一之間障壁画

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