「有機循環型社会」への取り組み(豊明市) - Network2010

有機循環型社会への取り組み(豊明市)

生ゴミも立派な資源に

ミュージカルも上演され盛り上がる「生きものまつり」豊明市沓掛堆肥センター生ゴミ堆肥化施設「豊明市沓掛堆肥センター」は平成18年4月から稼働しています。この施設は、これまで可燃ゴミとして処理されていた家庭から出る生ゴミを、有機資源として良質な堆肥へと生まれ変わらせる施設です。
家庭の生ゴミから堆肥を作り、その堆肥を土壌に還して食物を育て、それを食べて出た生ゴミを再びこの施設で堆肥にする。このように有機的に循環するシステムの構築を目指して、この施設は作られました。この施設で作られた堆肥は「とよあけEco堆肥」として商品化され市内各所で販売されています。

粉砕された生ゴミがベルトコンベアで運ばれていく粉砕された生ゴミがベルトコンベアで運ばれていく堆肥のもとになる生ゴミは約8,000世帯(2009年3月現在)から収集しています。燃えるゴミの中から堆肥になりうる生ゴミだけを各家庭で分別し、生分解プラスチック袋(土中で消滅する生分解性の袋)に入れて週2回の収集日に出されます。
回収された生ゴミは副資材(粉砕籾殻・牛糞堆肥・戻し堆肥)と共に機械で混ぜて粉砕された上で、1次堆積場へとベルトコンベアで運ばれていきます。1次堆積場で1ヶ月~1ヶ月半ほど発酵させます。1次堆積場の下には2本の送風管が入れられており、送風管の上に敷いた籾殻を通してエアーが送り込まれ発酵が進みやすい状況をつくっています。1次堆積場から2次堆積場に移し、さらに約2ヶ月発酵促進させると完熟堆肥ができあがります。熟成した堆肥の中に残った異物をふるいに掛けて取り除き、袋詰めして「とよあけEco堆肥」が商品として出荷されます。

収集した生ゴミをホイールローダに入れる収集した生ゴミをホイールローダに入れる
生ゴミを「生ごみ供給ホッパー」に入れる生ゴミを「生ごみ供給ホッパー」に入れる
「生ごみ供給ホッパー」で粉砕し、副資材と混ぜる「生ごみ供給ホッパー」で粉砕し、副資材と混ぜる
ベルトコンベアで混合ブレンド機に送られるベルトコンベアで混合ブレンド機に送られる
混合ブレンド機を通過後、1次堆積場に送られる混合ブレンド機を通過後、1次堆積場に送られる
堆積場で3~4ヶ月、微生物の働きで発酵させる堆積場で3~4ヶ月、微生物の働きで発酵させる
奥の機械でふるいにかけられ、堆肥が仕上がる熟成後、奥の機械でふるいにかけられる
ふるいにかけられた堆肥を袋詰めにするふるいにかけられた堆肥を袋詰めにする
袋詰めされ製品になった「とよあけEco堆肥」袋詰めされ製品になった「とよあけEco堆肥」

Eco堆肥でブランド野菜

「とよあけEco堆肥」で作ったスイカと生産者の土方さん「とよあけEco堆肥」で作ったスイカと生産者のひじ方勝さん(「ひじ」の字は「土」の字の横棒の間、真中縦棒の右側に点がつきます)安全でおいしい農産物をつくるには、土づくりが大切です。
豊明市は2009年3月より「とよあけEco堆肥使用農産物認証制度」を設け、「とよあけEco堆肥」を使用した農産物に対して、豊明市のPRキャラクター「のぶながくん」のシールを付け、ブランド化に力を入れています。

「のぶながくん」のシールは3種類あり、堆肥使用年数が長い順に赤、黄、緑とレベル分けされています。3段階にレベル分けすることで、生産者に「とよあけEco堆肥」の使用を促すとともに、消費者には農薬の使用回数や化学肥料の窒素成分量を抑えた、安全でおいしい農産物を選ぶ際の目印として機能しています。

豊明市では消費者・生産者・行政が協力して、生活に根ざした「有機循環型社会」への取り組みが地域に浸透し始めています。

 JAあいち尾東 豊明フレッシュセンター 豊明市役所のすぐそばにあるJAあいち尾東 豊明フレッシュセンター
「とよあけEco堆肥」で育てた野菜をアピールする貼り紙「とよあけEco堆肥」で育てた野菜をアピールする貼り紙
スイカに貼られた赤い「のぶながくん」のシールスイカに貼られた赤い「のぶながくん」のシールはEco堆肥5年以上使用
産地直売所にEco堆肥使用農産物が並ぶ産地直売所にEco堆肥使用農産物が並ぶ
生ゴミを「生ごみ供給ホッパー」に入れる「のぶながくん」のシールの貼られたカボチャ

「とよあけEco堆肥」が使われている畑「とよあけEco堆肥」が使われている畑