熊谷卓也 豊根村長―「芝桜」を始めたきっかけ
茶臼山高原は愛知県で一番高い山で、スキー場がメインなんです。スキーが終ってからゴールデンウィークまでは、けっこう新緑で人が来てくれるんですが、そのあと夏までお客さんがほとんど来ない地域なんです。
標高が高いものですからゴールデンウイーク明けから6月の中旬くらいまで鑑賞ができるもの(芝桜)で、お客さんを呼び込もうということでスタートして、いろんな方のアドバイスを受けて実行したということです。
―「芝桜」の効果
予想以上に年齢層が広かったですね。「湯~らんどパル」という温泉があるんですけど、温泉よりはるかにここ(芝桜)の方が年齢層、性別問わず来ていただいてます。けっこうリピーターが多くなっていますね。
今まで、どちらかというと(豊根村は)愛知県で知られていない所。こういう自然を求めた人たちは長野県の方に流れていたんですけど、実は今(2009年6月現在)まだ、(長野県には)芝桜がありませんので、(茶臼山高原の)芝桜を見に来て、あらためてここの自然の良さを皆さんに再認識していただいたことは大きいと思います。
茶臼山高原 天空の花回廊「芝桜の丘」―「芝桜」の今後の計画
今年(2009年)で二年目で、1万平米、20万株ですが最終的には2.5ヘクタールで40万株を予定をしており、東海地方では他に無い規模になる予定です。
その後、反対側に茶臼山ありますが、そちらにも少しは植えたいと思っています。
― 豊根村のこれから
(豊根村は)基本的に天竜川水系なんですけど、東三河という意味で豊川用水を通じて豊川水系ということで、いま上下流関係でいろんな協力体制をひいています。
現実の問題としては距離感があってそのあたりが難しかったんですが、芝桜(の成功)でそれがぐっと縮まった感じがしてます。
横の連携をとりながら(来訪者の)滞在時間を長くしていただくことで、お互いの相互扶助になればいいと思っています。
豊根ガイドマップ
「芝桜の丘」
愛知県で一番高いところにある花畑愛知県最高峰の茶臼山を中心に広がる高原は、自然を楽しむアウトドア客で年中賑わっています。春は新緑、夏はキャンプ、秋は紅葉、冬はスキーと四季を通して楽しめ、各シーズン毎にイベントが開催されています。
茶臼山高原 芝桜の丘は、2007年から萩太郎山頂付近に5ヶ年計画で植栽が開始されました。2008年春から、4,000㎡10万株の芝桜が咲き、2012年には約22,000㎡40万株の芝桜公園が完成予定です。
毎年、5月上旬から6月中旬にかけて見頃となり、「愛知県で一番高いところにある花畑」として多くの観光客を楽しませています。
みどり湖
新豊根ダムとみどり湖みどり湖は昭和45年の新豊根ダムの建設により造られた人造湖です。新豊根ダムの建設によって古真立地区曽川・田鹿の2集落は湖底に沈み、75世帯が離村を余儀なくされました。
みどり湖付近には良好な天然林が多く残されているため、多種類の鳥が見られます。
5~6月が最も観察に適した時期で、オオルリ、キビタキ、クロツグミ、アオバトなど色々な鳥の声を聞いたり姿を見ることができます。愛知県では比較的数の少ないアカショウビンの声を聞くことができるのもこの時期です。
みどり湖をせき止める新豊根ダムは、天竜川水系大入川(おおにゅうがわ)に建設されたダムで、わが国では数少ない非対象放物線ドーム形のアーチダムです。治水と水力発電を目的に建設されました。
発電所は地下にあり、自流併用式揚水発電所では、わが国最大級の水力発電所で、50ヘルツ機2台、60ヘルツ機2台、50・60ヘルツ両用機1台の計5台の発電機が設置されています。